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膜の治療

膜の治療

FT塾講師  神林 一隆

 春先から、目、鼻、喉などの粘膜の痛みや、寝違いが治らない、胃腸の調子が悪い等、様々な症状の患者さんが多かった。

 花粉症やアレルギー、風邪等の処置と、経脈治療で対応出来たが、中には余り改善しない患者さんがいました。

 粘膜、硬膜、筋膜を含む膜障害がある為に、脈は整っていても、自覚症状として改善するのに時間を要する、膜のバランスを調整する必要のあるケースの鍼灸治療を報告します。

症状
患者さんは、耳鼻咽喉科や、内科、整形、眼科等で薬を処方されたり、点滴を受けたりしても症状が残存している。

 風邪のスパイラル、瘀血、熱中症、水毒、アレルギーのカードは、人によって様々に反応する。頭が重い、気分がスッキリしない、足腰が重いと言うのは一致している。

診断
先ず、体感覚と言うのか正直な所、膜に問題がある方を治療していると、施術者の自分の鼻が詰まったり、目がかゆくなったり、霞んだり、毛穴が逆立つ、トイレが近くなる等の症状が起こる。これは体質なのか? 鍼灸師としてどうなんだろう・・・。

 これでは治療が成り立たないので、気を取り直して患者さんの身体をくまなく探ると共通点があった。足の踵骨と距骨の間のくるぶし周辺の内側か外側に、細いヒモ状の硬結を見つける事が出来る。この反射点を圧すとひどく痛がる。

 健側と比べると、アキレス腱が固着して伸びが悪い。固着側が短下肢になっている事が多い。

SOT(仙骨、後頭骨テクニック)を創始したディジャネット氏によると、距骨と踵骨は、腱防御反射の為の付着部となっていて、正常時には頸椎1番(C1)-硬膜-骨盤のバランスを保ち、固着すると、このバランスを崩すと言っている。

 確かに足部に歪みを起こすと脊柱全体の骨格、筋膜、硬膜も歪むようだ。言い換えれば身体全体の歪みが足部の関節や腱に現れるという事が言える。

治療
使用するツボ(程度の違いはあるが、左右のツボにstが出るので、経験上両方に刺鍼している)

・左右迎香穴(大腸経)
・左右尺沢穴(肺経)
・左右足三里穴(胃経)
・左右漏谷穴(脾経)

先ず迎香穴。入江式では花粉症を右の迎香穴で診断する方法があるが、治療としても使える。

 以前、全日本鍼灸師会の論文で、迎香穴に刺鍼すると、脳に行く酸素供給量が増えたという発表があったが、左右の迎香穴に刺鍼後、横隔膜が良く動く。私は迎香穴には高麗手指鍼用の鍼を使用している。左右尺沢穴、左右足の三里穴は、膜に捻じれ等があると反応するようだ。

漏谷穴は、佐藤 友治先生が胃下垂などの治療時に使用すると効果があると言っていたので、試してみると、胃や消化管、粘膜等にも影響を与える事を確認し、使用している。

 これらのツボに刺鍼し、5分程置鍼をすると、深い呼吸をするようになり、身体が緩み温まって来る。stな箇所はsmになっている。

 実はこの刺鍼でアキレス腱部の固着や痛みが取れない時があります。
その場合、以下の4通りの治療で対応している。

① 足の固着を取る為のストレッチ
② SOTのカテゴリー1※のブロック操作
③ 背部~腰部の棘突起のstに印をつけ、鍼や灸で治療しsmにする
④ 頸椎の1番か2番のstに皮内鍼をする(頸椎←→足部の腱防御反射)

 足部の固着や腱の圧痛が除去されると、頭がスッキリし、目がサッパリし、喉の痛みが取れる等、諸症状が改善される。即効性がある。

※カテゴリー1とは
仙腸関節は2つの関節面を持っている。一つは滑らかなブーツ(長靴)の形をしている。

 もう一つの関節は、ザラザラした軟骨で出来ている。この滑らかな関節面は呼吸関節で、後頭骨、側頭骨と連携し、硬膜を維持し脳脊髄液を循環させている。この関節面が歪むと脳脊髄液の流れや膜の障害が出る。これがカテゴリー1の状態である。

考察
現代人はアレルギーや不定愁訴等の症状が多くなって来ている。食べ物〔グルテン(小麦粉)や糖分過多など〕やストレス、環境汚染などの影響があると思う。三焦経や小腸経などの経脈が異常になり、消化不良や冷えによる症状が慢性的にあるようだ。

 スマホやWi-Fiで、常に電磁波にさらされていて、人間自体が自然でない磁力を帯びている。

画像の説明

変わっているのは人間だけではない。九星気学の世界では、地球の地軸もかなり変わって来ているという。

そういった状況であっても、温故知新の精神と、新しい感性で臨床に努めたいと思っています。

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