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生命場へのアプローチ

生命場へのアプローチ

FT塾講師  神林 一隆

東京入江FT塾が始まり 四半世紀が過ぎました 入江先生は、古典にある病気の定義は大枠で次の2つと考えていました。


① 子供でも 大人でも正気だけが体に行き渡っていれば健康とし、正気が少しでも虚して、そこに邪が取り付けば病邪の実とする。つまり正気の虚と病邪の実の併存が病気であるとする。

② もう一つは五行の変化として捉えるものである。人間を小宇宙と見る哲学観から宇宙に適用された五行が人間に適用されるようになった。

人間が健康な時は五行は順調に回るが、病気になれば不順となり、五行の理論が適用され病気の診断と治療が行われる。
「肝は目に開孔し筋を巡る」という素問の条文と「肝が病めば顔に青色が出てくる」という霊枢の記載がありますが、現代の常識では全く結びつかないと思われる事を結びつけて「木」に配当しています。これを入江式FTを使うと、「木」の司る人体の様々な部分に異常を捉える事が出来ます。膨大な東洋医学を築いた古代人の知恵を読み解くシステムとして、入江FTを習得したからこそ治療が出来ています。

今日は、生命場(エーテル体)にアプローチするシステムの一部をご紹介します。

人間には 物質的な身体と精神的な身体が存在します。物質的な身体というのは、いわゆる肉体です。

西洋医学、東洋医学も、この肉体に対しシステム化した治療を施しています。もうひとつの精神的な身体は生命場、エーテル体と言い、肉体を取り巻く 空間にも存在しています。それは脳という器官ではなく、脳を形成する力のことです。

普通、生命場は見る事も聞く事も出来ませんが、 感得する事は出来ます。
信仰、許し、やすらぎ、愛、美、喜び、悲しみなどが、見えなくても感得出来るのと同じです。

精神的な身体(生命場)は意識と結びついています。
意識に変化があると生命場にも変化が現れます。

生命場は、事故等で過去の外傷が治りきっていない場合や、精神的なショックを受けた状態の時も流れが悪くなりなったり、時にはブロックしてしまう事もあります。

生命場は肉体に生命力を導き入れ、その人に気力を供給しています。

ある意味生命場は、身体の片割れと言えます。半分は我々が普段、意識している肉体で、もう半分は目には見えない「場」により人間として成り立っています。

生命場を感じる

 IP治療や置鍼をして、患者さんがリラックスしている時がアプローチしやすいと思います。 ベッドに寝ている患者さんの頭部に座り、ゆっくり腹式呼吸をして丹田を意識します。丹田から真っすぐ意識を落としていき、地中深くに船の錨を下ろすようなイメージで気を落ち着かせます。

これで自身の場を安定させます。次にゆっくり呼吸しながら自分の左手に意識を向けます。手掌の真ん中に「目」を作ります。そして右手にも「目」を作ります。

左手と右手に距離を置き、互いの「目」を感じてみます。

次に膻中の奥にある感情の場に意識を向けます。この膻中と両手掌からなる3つの意識のポイントでトライアングルを作ります。この3つの意識のポイントは、患者さんの変化を深いレベルで洞察する事が出来る手段です。

この触診方法に慣れると、患者さんのどこに触れていても全身の場を感じ取る事が出来るようになります。 例えば、膝を触診しながら身体全体の生命場の状態も感じ取る事も可能になります。

生命場を治療する上で私が意識している事は、焦点を定めた注意力と、純粋な想念です。純粋な想念は患者さんの思いや葛藤を共感して認識し、それを「高次の力」「自然の力」と繋ぐ事です。

病気を治すのは、患者さん自身の「自然治癒力」「イネート・インテリジェンス」なので、術者は手助けに過ぎませんが、術者の想念は治療上の効果があると思います。

症例 1 患者 20代 女性

肩こり頭痛と不眠で来院されました。
問診後、患者さんを仰臥位にして、患者さんの右手側に立った時に、自分の体が患者さんの左頭部側に引っ張られそうになりました。

こういった場合には、「 頭で色々考え過ぎるタイプですか?」 と尋ねる事にしています。 患者さんの左脳にネガティブな思考が強くある場合、こういった現象が起こります。驚いたようでしたが緊張が取れたらしく、堰を切ったように自分の事を話し始めました。

「私、自分に自信がないんです。自己肯定感が低いんです」。

彼女の訴えを充分聞いた後、自己肯定感にも2つの種類があると話しました。

1つは所謂、自分の言動に自信がなく、常に「こんなんでいいのかな。駄目だなー」というような思考パターン。

もう一つは自己存在感で「自分はこの世に生きていて意味あるのかな」というパターン。

彼女の場合は後者の方だと思いました。親御さんに常に否定されてた。(本人談)

こうした想いが生命場に絡みついているようでした。
皮膚から15㎝程離してsm~stに変わる所を目安にFTすると、人型の生命場がイメージ出来ると思います。

 生命場の安定度を知るためには、健康状態を観察すると良いです。
健康状態が悪い時は、生命場も不安定になっているからです。

 この患者さんの場合、左の側頭部と胸郭辺りの生命場が不安定な状態でした。
仰臥位の患者さんの肩を把握し、術者の左右の第三指を患者さんの膻中に向け、指を置くポジションをとります。

 両手と膻中で作るトライアングルを意識し、目を閉じて、エネルギーである生命場を感じるよう集中します。そこで微細な流れ、乱れを感じるようにします。

 乱れ(ブロック)を感じたら、生命場の変化を感じるまで待ちます。術者は、寄り添いながら、愛ある意図を持って患者さんを見守ります。

 患者さんのブロックされた流れが改善された感覚を得るまでは、相当な訓練を必要とするかも知れません。ブロックが流れるようになると、生命場は他の身体の部位を同じように生命場の大きさや流れがsmになるのでFTで確認してみて下さい。

 患者さん自身は何を感じるのか?この女性は、呼吸が楽になったり、身体が温かくなった。閉じていた目の周辺に紫色を感じたそうです。

 肉体と生命場を治療する事により、脈診部や関節の可動性、CSF(脳脊髄液の流れ)筋膜のリリースなどが改善されました。
 先述しました「肉体的な身体」と「精神的な身体」は互いに影響し合う事を実感しました。

症例Ⅱ 40代 男性

主訴

2週間前から腰全体が重くなる 重苦しく、ぎっくり腰になってしまうと大変ということで 早めの来院をされました。

脈診

左腎メインの経脈治療をしました。IP治療にて脈診部はsmになりましたが、皮膚から約15cm位離れた所で体全体をFTすると、下腹部だけstが残存しています。

患者さんに症状を尋ねると、腰は軽いという事でしたが、残存しているstを改善するために、下腹部と骨盤付近に、自分の両手と膻中にトライアングルを作り、「生命場」を触診しました。患者さんの生命場の乱れ、抵抗の感覚を感じる事が出来ました。

生命場を治療するための一方法として、カッティングされた水晶を利用する事にしました。水晶は術者の意図を増幅させる事が出来るようです。

① 水晶の尖った先をポインターとして使い、親指と人差し指、中指で包み込むように持ちます。

② 生命場に水晶の先を入れるために、反時計回り(左回転)の円を描いて向ける。


水晶


入り込んだ感覚が生じたら、FTしながらstがsmになるまで振り子運動させる。
乱れがなくsmで開放感が得られたら、水晶を時計回り(右回転)させながら生命場を閉じて離れます。

患者さんの肉体的な身体、精神的な身体が整った状態になったので治療を終えました。

患者さんから治療した日の夜、尿から砂のような状態の尿管結石が排泄され、腰全体が楽になったと報告がありました。

最後に

今回 原稿を書きながら20年前の自分がこの文章を読んだ時、肯定的な気持ちで受け入れられたかと思うと疑問であるし、受け入れる事はなかったと思います。

20代で柔道整復師として研鑽を積んだ師匠は、国家試験委員も務める凄腕の骨接ぎで、私は6年間、骨折や脱臼の治療を研修させて頂きました。

鍼灸は殆ど免許を取っただけで、その当時はカイロプラクティックに夢中になり、アメリカ帰りの DC(カイロプラクティック・ドクター)の元で勉強させて頂き、自分の不器用さと向き合っていました。その後、整形外科へ勤めた頃、入江FTに出会いました。

東洋医学の、目に見えない脈診を勉強するにつれ、それまでの自分の先入観が崩れて行きました。

実は柔道家でもある師匠が、毎日「創造主」に祈っていた事。

西洋医学を主体としたカイロプラクティックの神業を持つ先生方が、エネルギー治療法の一つである「ハーモニック」を勉強されていた事。

入江先生が、自分は直感で色々わかるが、直感を確認する為、また他者が学べるように FTとFTシステムを作ったという事。

以前の自分は、目で見た事、感じた事が全て真実だと考え、自分以外は見ようとしなかったり、感じようとしなかったのかも知れません。

年齢的にも頭が硬くなって来ていると思うので、これからも情報を興味深く感じるよう、柔軟性のある生き方を心掛けようと思います。

参考文献

サトルオステオパシー ザカリー・コモー著 谷口書店
入江先生講義録

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